ユーロ通貨圏の金融市場について

今月の注目材料は引き続き各先進国と中国の金融スタンスになるほか、最も注目される経済データは米6月雇用統計となる。前回の米非農業部門雇用者数は市場予想の515K増に反して290Kになり市場の失望感を誘い、米経済の先行きに不安を持たせた。同時にグローバル経済の先行き不透明感も強まった。それからも米国で発表された経済データは相次いで弱い内容を示し、米景気とグローバル景気拡大に対する不透明感は一段と強まっている。今回の米雇用統計に対して、市場では11万人の雇用減になると見込んでいるが、それ以上に悪化すれば米国の金利は当分低い水準に維持される見方が強まる。もちろん、予想に反して増加に転じれば米経済の先行き不透明感を少し和らげられる。

まだまだ揺れる?ユーロ通貨圏の金融市場

1か月に亘って開催されたワールド・カップもスペインの初優勝、しかもオランダとの決勝戦は延長後半の終了直前のゴールで決着が着くという激闘でした。また、1-3位までを、ドイツを含めたヨーロッパが制するというヨーロッパのための大会でした。

 

ユーロ

 

さて、このワールドカップ期間中でもヨーロッパ、特にユーロ通貨圏の金融市場は大きく揺れていました。7月7日にCEBS(Committee ofEuropean Banking Supervisors)が、6月18日に発表したEUの銀行に対するストレステストについて、その対象となる91行を明らかにしました。そして、その結果を7月23日に個別行ベースでも開示すると発表しました。

 

ストレステストの内容としては、最悪シナリオでは今後2年間のEUのGDP成長率はEC(European Commission)の予測より3%かい離した水準とし、国債のリスクは今年の5月初めの水準と比較するとしました。

 

BIS(Bank for International Settlements)は四半期ごとに、各国の銀行が保有する対外与信額の数字を発表しています。その数字からEU各国の金融機関が保有する対PIIGS向けの与信額が分かりますので、その一覧を作成してみました。2009年末の数字で、100万ドル単位です。

http://mpse.jp/tkymail/c.p?32c2bgu1p6w

 

ultimate risk basisということなので、資産と負債のネットポジションになると思いますが、フランスの銀行はおよそ788億ドル(およそ7兆円)のギリシャのリスクを持っているということです。PIIGS全体では8948億ドル(79兆円)にもなりますから、PIIGSのソブリン・リスクが顕在化したら、EUの金融機関はひとたまりも無いですね。

 

ちなみにアメリカと日本の金融機関が抱えるPIIGSリスクは次のようになります。

http://mpse.jp/tkymail/c.p?52c2bgu1p6w

 

日本も、結構大きなリスクを抱えているのですね。

 

ユーロの為替レート情報

最新の為替相場の予想

●今晩の注目通貨ペア

 

ドル円、ユーロドル

 

 

●今晩の注目イベント

 

20:00 英中銀政策金利

予想 0.50% 現行 0.50%

 

20:45 ECB政策金利

予想 1.00% 現行 1.00%

 

21:30

米 新規失業保険申請件数(7月3日までの週)

予想 460千件 前回 472千件

 

トリシェECB総裁 会見(声明発表、質疑応答)

 

9日 0:00

米週間石油在庫統計

 

 

●外国為替相場の予想

 

本日発表された日本の機械受注が予想外に悪かったように日本経済の先行き不透明感も強まっている。このため、世界景気の悪化懸念が、円買いにつながったとしてもあまり長続きはせず、株式を始めとする他金融市場が少しでも好転すると、ドルやユーロを買い戻す動きが強まる。

 

今晩は、英国とユーロ圏の政策金利の発表が予定されている。金利水準が変更されることはなく、注目すべきは、トリシェECB総裁の会見内容だろう。ただ、会見内容が市場のサプライズを導くことはないとみている。

 

為替市場に動きが生ずるとすれば、米新規失業保険申請件数が発表される21:30ころだろう。米雇用環境の改善がもたついていることから予想外に悪い結果が出る可能性もある。申請件数が48万件台となれば、いったんは止まったかのように思われるドル売りの動きが再開することになる。

 

米週間石油在庫統計も要注意だ。原油先物価格(WTI)は74ドル台まで回復したものの在庫のだぶつきによって価格が急落し、ドルやユーロを回避する動きが出ることもありうる。

 

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